中國(guó)タングステン・モリブデンフォーラム
中國(guó)タングステン・モリブデンフォーラム
現(xiàn)在中國(guó)の獨(dú)占狀態(tài)にあるタングステンは、基本的には大規(guī)模な鉱床でなく、生産地は程良く世界中に分布して いた。このため埋蔵量の多くが中國(guó)にあったにも拘わらず、世界中でも生産され、かつては日本でもいくつかの鉱 山が存在した。しかし1980 年代になると中國(guó)の外貨獲得政策に基づくタングステンの輸出攻勢(shì)が起き、タングス テン価格が下落、世界の鉱山は相次ぎ閉山に追込まれ、それ以降、市場(chǎng)は中國(guó)に支配されることになった。高騰を 探ると、天安門(mén)事件や輸出許可発給量の制限等、必ず原因は中國(guó)発信であり、最近では2005 年の増値稅撤廃を契 機(jī)に価格が一気に跳ね上がったことが記憶に新しい。これに追い打ちをかけるように、輸出稅の賦課、課稅対象品 目の追加等、中國(guó)政府による統(tǒng)制が止まらない。市場(chǎng)を牛耳った後の中國(guó)は、さらに、輸出品目への付加価値化と あからさまな行動(dòng)である。そのような事情から、タングステン供給のほとんどを擔(dān)う中國(guó)が開(kāi)催するタングステン・ モリブデンフォーラムは日本にとっても重要な情報(bào)源として位置付けられた。 フォーラムの開(kāi)催都市は洛陽(yáng)で、主催者の中國(guó)有色金屬工業(yè)協(xié)會(huì)代表は、「洛陽(yáng)は中國(guó)史上9 回首都となった。 今はタングステンとモリブデンで10 回目の首都となっている。」とオープニングスピーチで紹介するほどその重要 性を強(qiáng)調(diào)していた。 以下に、フォーラムで得られた中國(guó)におけるタングステンとモリブデンの概況を記すと共に、次の5 つの報(bào)告に ついて紹介する。 ①中國(guó)タングステン産業(yè)と當(dāng)面する課題 ② 2007 年の國(guó)內(nèi)タングステンの消費(fèi)と供給 ③中國(guó)のタングステン・モリブデン資源及びその管理政策についての分析 ④技術(shù)革新と省エネ・排出量削減により洛陽(yáng)モリブデンを世界一流の鉱業(yè)グループに ⑤中國(guó)の鉄鋼産業(yè)におけるモリブデン需要とその購(gòu)入モデル Ⅰ. フォーラムの概要と中國(guó)のタングステン・ モリブデン概況 Ⅰ-1. フォーラムの概要 2008 中國(guó)國(guó)際タングステン・モリブデンフォーラムは9 月17 ~ 19 日間に、中國(guó)洛陽(yáng)にあるLee RoyalHotel で開(kāi)催された。中國(guó)有色金屬工業(yè)協(xié)會(huì)主催、Beijing Antaike Information Development Co. Ltd. とShangxiang Minmetals Inc. が運(yùn)営、2008 年は第2 回目になる。その他の協(xié)賛等は以下に列記した。參加者數(shù)は登録ベースで189 名、30 ~ 40 歳代の中國(guó)人が中心で、ベースメタル関係のフォーラムとは異なり若い世代の參加者が多く見(jiàn)られた。日本関係では、JOGMEC2 名の他、日系企業(yè)から2 名の參加があった。 主催: China Nonferrous Metals Industry Association (CNIA:中國(guó)有色金屬工業(yè)協(xié)會(huì)) 運(yùn)営: Beijing Antaike Information Development Co., Ltd. Shangxiang Minmetals Inc. 協(xié)賛: The People’s Government of Luanchuan County,Henan Province China Molybdenum Co., Ltd. Jiangxi Rare Earth and Rare Metals Tungsten Group Co., Ltd.(JXTC) Jiangxi Tungsten Industry Group Co., Ltd. Chongyi Zhangyuan Tungsten Co., Ltd. Xiamen Tungsten Co., Ltd.(XTC) Chinatungsten Online (Xiamen) Advanced Technology & Materials Co., Ltd. (AT&M)
本フォーラムは6 セッションに分かれた17 講演(オープニングスピーチを除く)と最終日のモリブデ ン工場(chǎng)見(jiàn)學(xué)から構(gòu)成された。 Ⅰ-2. 中國(guó)のタングステン・モリブデン概況 Ⅰ-2-1. タングステン 2007 年、中國(guó)のタングステンの鉱石生産は80,438tで2006 年からは微増、APT ベースでは20%の増加 をしている。総売上は356 億元(14.16% up)、利益は67 億元(5.56%)、輸出は29,914t(カーバイドを含む 金屬量ベース5.66% down)である。2008 年は、生産量は引続き微増であるが、製錬関係段階の事業(yè)では利益は減少、カーバイド関係事業(yè)では増加している。 金屬資源備蓄部 企畫(huà)課長(zhǎng)北 良行 83 (669) 84 2009.1 金屬資源レポート 中國(guó)タングステン・モリブデンフォーラム海外情報(bào)紹介年頭に雪害があり、2008 年前半は生産量が減って いる。精鉱生産は上期37,137t で6.37%の減少。これにより國(guó)內(nèi)価格が一時(shí)上昇したが、現(xiàn)在は少し下降気 味。國(guó)際価格はアメリカのドルを中心とした経済の減退、輸出稅の増加により若干の減少傾向にある。一方 で、原料等の価格が上昇したため生産コストは増加傾向にある。中國(guó)のタングステン企業(yè)としては、年商10 億元を超えるものが7 社で、うち4 社は40 億元を超える。この7 社で総売上高の50%を超える。2007 年のタングステン産業(yè)への投資は若干過(guò)熱気味で30 億元となり、2002 年からの合計(jì)投資額の30%を占める。投資は探査から製錬に及ぶ。探査については、拡張、再開(kāi)を含めて8 つのプロジェクトが立ち上がり、山元での処理能力は選鉱過(guò)程までで170 萬(wàn)t 増加。なお、中國(guó)が世界のタングステンの80%を供給している。 中國(guó)では政策として川上から川下へ向けた動(dòng)きが進(jìn)められてきたが、このところ付加価値化のペースが 鈍っている。 (1)政策等 タングステンは1991 年に、規(guī)制すべきマテリアルとして規(guī)定され、2001 年にはEL 枠が発表された。政 策による規(guī)制はさらに強(qiáng)化され、2008 年には新しい制限が1 月から実行されている。2007 年から実施さ れた輸出稅は5 ~ 15%に増加している。フェロタングステン、フェロシリコタングステンは2008 年から 制限、タングステン製品15 項(xiàng)目については加工貿(mào)易が禁止されている。政策面では引続き統(tǒng)制が行われる見(jiàn)通し。2008 年の輸出枠は14,900t で5%の減少。輸出規(guī)制等により小規(guī)模生産者がつぶれ、包括して大きな競(jìng)爭(zhēng)力のある生産者に統(tǒng)合される方向にある。 (2)需要 中國(guó)の需要はさらに増加、現(xiàn)在の市場(chǎng)における強(qiáng)い立場(chǎng)もしばらく継続される模様。現(xiàn)在、タングステン産業(yè)界では省エネ、汚染対策、リサイクル等の実施、低品位鉱石活用の調(diào)査等を進(jìn)めている。特に、スクラップの活用が今後注目される。中國(guó)での消費(fèi)はHard alloy(43.6%)、Special steel (33 %)、Tungsten semis(14.3 %)、Chemicals(9.2 %) の比率である。 (3)供給 中國(guó)の主要なタングステンの山元生産地は従來(lái)から江西省、湖南省であり、両省計(jì)84%に達(dá)する。新規(guī) 地域も含めた主な生産地(省)の概要は以下のとおりである。 ①?gòu)緛?lái)の生産地 江西省(Jiangxi Province):鉱石(37,250t)とAPTの供給地であり21 のAPT 生産者で92.7kt の能力あり。 パウダー5,360t、カーバイド4,693t 湖南省(Hunan Province):鉱石(30,952t)その他、雲(yún)南省(Yunnan Province)、広西チワン族 自治區(qū)(Guangxi Province)が主な生産地域。 ②新規(guī)地域での動(dòng)き 河南省(Henan Province):リサイクル関係で2003年にChina Molybdenum Group and Xiamen Tungsten Co. が設(shè)立される。 甘粛省(Gansu Province):Xinzhou 鉱山を合弁事業(yè)として立上げる。 福建省(Fujian Province):Ninghua Hangluokeng 鉱山が立上がった。 Ⅰ-2-2. モリブデン 中國(guó)のモリブデンの生産量は前年の66,300t から79,600t まで増加、見(jiàn)掛消費(fèi)量は53,000t といわれる。 輸出はチリ、アメリカについでの3 位で、世界の24%を占める。中國(guó)は世界最大の鉄鋼消費(fèi)國(guó)であり、モリブデン 消費(fèi)量は世界全體のモリブデン総消費(fèi)量の13%を占めているが、歐州30%や米國(guó)23%のレベルにはまだ 及ばない。2007 年の世界全體の鋼生産量は約13.4 億t で、モリブデンの世界総消費(fèi)量は金屬量換算で20.4 萬(wàn)t、うち鋼鉄業(yè)の消費(fèi)量は金屬量換算で15.7 萬(wàn)t であった。2007 年の中國(guó)の鋼生産量は約4.89 億t、モリ ブデン総需要量は約4.2 萬(wàn)t であったが、モリブデンの鉄鋼業(yè)における消費(fèi)量は金屬量換算で約3.24 萬(wàn)t で あった。中國(guó)のモリブデン総需要量は世界総消費(fèi)量の20.6%を占めているが、世界全體のモリブデン需要量 と比べるとまだその比率が小さいこともあり、將來(lái)的に大きな発展の余地があると言える。 ここ數(shù)年、中國(guó)の鉄鋼業(yè)は飛躍的な発展を遂げ、ステンレスの生産能力が大幅に拡大している。鋼生産量は2000 年の1.27 億t から2008 年には5.35 億t に増え、ステンレス生産量は2007 年には700 萬(wàn)t を突破し、2010 年には975 萬(wàn)t に達(dá)することが予想されている。ここ2 ~ 3 年のモリブデン消費(fèi)量も毎年10%以上の伸び率で拡大している。モリブデン含有ステンレスや低合金鋼、特殊鋼を中心にモリブデン需要が増え、モリブデンの國(guó)內(nèi)生産量も増加傾向を維持していくことが予想される。 2007 年での使用分野の80%が鉄鋼で11%が化學(xué)用、このうち鉄鋼業(yè)におけるモリブデン需要はフェロ・モリブデン(FeMo)が主流で、以下のような鉄鋼製品がある。なお、中國(guó)産業(yè)全體でもモリブデン原料はフェロ・モリブデンが主要であるが、數(shù)値的に見(jiàn)ると86.5%から73%に減少傾向にある。 ①炭素鋼: 配管用鋼管(X50-X120、含有率 Mo 0.1 ~ 0.8%)、高圧ボイラー管、油井用管、ドリルパイプ、厚中板等。 ②ステンレス: 含有率 Mo 85%のステンレスの鋼種は316、平均含有率 Mo 2.2%である。現(xiàn) (670) 2009.1 金屬資源レポート85 海外情報(bào)紹介中國(guó)タングステン・モリブデンフォーラム 在、國(guó)內(nèi)三大ステンレスメーカーである寶山鋼鉄、太原鋼鉄、張家港浦項(xiàng)ステンレスのモリブデン含有ステンレス の鋼種は316 が主流である。 ③特殊鋼: 高速度工具鋼(含有率Mo 約9%)、軸受鋼、高溫合金鋼がある。特殊鋼1t 當(dāng)たりのモ リブデン消費(fèi)量は0.2kg のレベルに達(dá)している。 今後、中國(guó)の鉄鋼業(yè)はM&A・再編・新設(shè)等の方法を通じて生産能力の拡大を図る一方で、舊式生産手段 の淘汰や製品構(gòu)造の最適化を進(jìn)めていくことになる。中國(guó)のモリブデン需要は今後も伸びていくことが予想 されるが、それは國(guó)內(nèi)の鋼生産量の増加と多品種鋼及び高付加価値鋼の比重の増大と歩調(diào)を合わせる形で拡 大していくものと思われる。
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