中國が建國６０周年を迎えた。１９世紀に帝國主義列強の侵略に病んだ「張り子の虎」だった中國はいまや米國と肩を並べる強大國の隊列に堂々と入った。特に１９７８年の改革開放以來、持続的に追求してきた成長政策が結実し、中國は世界的な強大國としての地位を確固としている。
振り返ってみると中國の成長は共産黨指導部と國民がともに傾けてきた血と汗の結実だ。米國と舊ソ連の冷戦時代を経ながらも膨大な國土と人口を持つ巨大國家としてのアイデンティティを失わず、世界に前例のない「社會主義市場経済」の大膽な門戸開放で目覚ましい経済成長を成し遂げた。われわれは暗く長いトンネルを抜け、いまや世界の強大國としてさらなる伸びを続ける１３億の中國人のこうした努力に深い敬意を示す。
中國の浮上はそれ自體が持つ重さと大きさにより、世界のあちこちでいくつもの変化を起こしている。各國の製造業が中國の豊富で安い労働力を求め集まっており、持続的な経済成長に向けたエネルギー需要のため鉱石と原油などエネルギー資源の対中偏り現象も深まっている。急速な経済成長に支えられた中國の國防力の急速な増強も國際政治の新たな変數として登場している。これにより中國の浮上に対する期待と同様に懸念もまたふくらんでいるのが現実だ。
このために中國の浮上を驚異の目で見守ってきた各國では最近になり「中國の役割論」が重要な話題として登場している。まず中國は世界の経済體制の枠組みに入って得た成果分だけ世界に向かって自身の寄與度を高める必要がある。中國みずから米國のような世界の大國として認められるためにはこれまで取ってきた製造業中心の発展戦略をより果敢に整理し、消費市場を大きく振興して世界経済のために盡くさなくてはならない。
中國が経済の高速成長を支えるために駆使する資源獨占現象も問題だ。中國は莫大な外貨準備高を動員して豪州とアフリカなどの原材料とエネルギー資源を買い占めながら、世界の保有量の９０％を占める希土類金屬については対外輸出を制限する二重の姿勢を見せている。責任ある大國として成長するため中國は各國とともに発展しようという姿勢を持たねばならない。
國土を互いに接する隣國として、中國に望むことがまだある。北朝鮮問題に対する中國の仲裁の役割だ。東アジアの平和を脅かす北朝鮮の問題は韓國をはじめ中國、米國、日本などがともに知恵を集めて解決すべき重大な事案だ。これまで北朝鮮問題に対し中國が傾けてきた努力も大事だが、これから取るべき努力も切実だ。核開発を続けようとする北朝鮮に制限的ながら抑止力を持っている國は中國だ。北朝鮮の體制改革を引き出し韓半島の平和の構図を定著させる上で中國がいまよりもっと真摯な努力を傾けてくれることを願わずにおれない。
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